L'eau, je suis important...
「ふはっ
何で俺が怒るんだよ!」
笑いながら言うと、玲は悩んでから、
「教科書で教卓を叩いちゃったから?」
「ははっ
なんで疑問形なんだよ〜」
疑問形だったことが更にツボに入った。
俺の笑いを邪魔してきたのは、急に流れた音楽だった。
♪〜♪〜♪〜♪〜
音の発信源は俺のスマホだった。
「もしもし?」
「ん?あぁ。」
「あ?あぁ。わかった。
じゃあまた後で。」
プチッと切ると、玲が顔色をうかがってきた。
「誰?」
「んー?ちょっとな〜」
曖昧に誤魔化すと、玲はそれ以上聞いてこなかった。
その日。
玲の言葉が学校中に広がり、誰も炎龍のあの話をする者はいなくなった。