L'eau, je suis important...


やっと玲と梶原の誤解が解けたって時に、堂島が邪魔をしてきた。


それに“梶原を返せ”だ?

ふざけんな!


「おい!堂島ぁ!梶原はこれから炎龍にもど…「碧海ぃ!はよ来いや!」


俺の言葉をガン無視して、堂島は言葉をかぶせてきた。


「堂島さん…。僕、炎龍に…戻りたい…です…。」


梶原は小さく主張した。


「なぁ、碧海。お前忘れてるんちゃうか?海で炎龍の姫さんたちにしたこと」


海…?

炎龍と舞羽たちと一緒に行ったときか…?


「…くっ……」

「戻ってくるよなぁ?…碧海。」


堂島がやってることはもはや脅しだ。


「………」


梶原は無言で、堂島のもとへ足を進めた。



「おい!碧海!」


その足を止めたのは梶原を呼ぶ阿部の声だった。


のそりと振り返った梶原は気まずそうな顔をした。


「お前がやったことは“過去”だろうが!お前は“未来”を進むんだよ!変えるのは未来だ。でも過去を消化して未来へ繋ぐ。だからちゃんと俺に説明しろ!」


阿部が梶原に言った言葉は、きっと梶原が求めていた言葉で。


梶原は阿部に嫉妬していたけど、ずっと一緒に過ごしてきた2人なんだ。


だからこそ、相手が求めている言葉を言える。


いい関係だな。



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