L'eau, je suis important...
ガンッ!!!
そう思ったときには、大きな音ともに梶原は倒れていた。
梶原の目の前にいた阿部が殴ったのだと、その光景を見て理解した。
「立て、碧海。今のは俺の分だ。
もう一発は愛華の分。立て。」
それを聞いて、梶原は立ち上がった。
阿部は殴ることによって、この話を終わりにしようとしてるんだな。
俺よりよっぽど心が広くて、冷静じゃねぇか…。
ガンッ
鈍い音を立てて、梶原が倒れた。
「俺はこれで許す。あとは髙野次第だ。」
そう言って、阿部は梶原に手を差し出した。
梶原はそれをぐっと握り、立ち上がった。
それを見届けた俺は、梶原に一歩ずつ近づいた。
「俺は阿部ほど心が広くない。
でもな。お前を許さないとかは思わねぇ。一発でこの話はなかったことにする。」
フーっと息を吐いて、右からパンチを決めた。
「…ウッ」
苦しそうな声を上げて、梶原は倒れた。
「……え…。」
倒れた梶原は、差し出した俺の手を見て、声を上げた。