L'eau, je suis important...



「この手は舞羽の分な。
舞羽だったら多分、殴るんじゃなくて、手を差し伸べてるだろうからな。
舞羽はお前を殴ることを望まねぇ。
…だから……ん。」


手をゆらして、掴むように促した。


「……りがと…ございま……。」


俺の手を握り、立ち上がった。


「髙野も許したってことは、碧海は戻ってくるしかねぇな!」


ニヤッと笑い阿部が言った。


コイツの顔、綺麗だな。

ニヤッとした表情でもかっこいいとか…。


「っ!!…はいっ!」


梶原の目には涙が溜まっていた。


「まぁ、つーことで、堂島。
梶原はもうお前の味方じゃねぇからな。」


あとから梶原を取られないようにするために、堂島に釘を刺した。


「…!クッソぉ!」


堂島は冷静さを失い、銃をこちらに向けてきた。


「っ!」


…やべぇな。


蝶月は少なくとも大丈夫だ。

銃を使う族や組なんか今までいくらでもいた。


それでも今回は、炎龍がいる。玲がいる。

蝶月はきっと炎龍を守るだろう。


そうなった時、蝶月も危なくなる。


どうする?

考えろ

考えろ


誰も怪我をせずに、この場を収める方法を。


早く

正確に

正しい答えを。


「蝶月ぃ!聞いてくれぇ!
炎龍を連れて俺達のとこまで一旦下がれ!」


俺の考えた策は、俺らの後ろに蝶月と炎龍を隠す。


そして、俺らが堂島と側近を倒す。



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