L'eau, je suis important...



「おい、お前ら、動くなよ?」


どこからかまた拳銃を取り出し、俺に向けてきた。


「っ!」


それを見た奴らは、息を呑み、動きがピタリと止まった。


その行動を見て、堂島はさらに口角をあげた。


さてどうするかねぇ〜。

銃を向けられているのは自分なのに驚くくらい冷静だった。


いや、違ぇな。

俺だったから冷静なんだ。


もし、これが望や康介とか仲間だったら絶対こんな冷静じゃねぇな。


「うわぁぁっぁああぁああああ!!!!!」

「っ!?」


ーパーン。


乾いた音が静かすぎるこの空間に鳴り響いた。


薬をやってるやつが奇声を上げて、それに驚いた堂島が指にかけていた引き金を引いてしまったようだ。


すべてがスローモーションに見えた。


「ゆうたぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」


俺の名前を呼ぶ玲。


「避けろぉぉおおおお!!!!!」


叫ぶ宏樹。



それすらもスローモーションで、まだ俺は冷静だった。



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