L'eau, je suis important...
ガシッ
「すまねぇ。」
近くにいた玲が俺のことを支えてくれた。
「倒れてんじゃねぇよ」
玲が支えてくれてなきゃ、絶対痛かっただろうな。
ここは蝶月と違って床材がコンクリだからな…。
なんて…。
考えているうちにどんどん頭が回らなくなってくる。
「玲…ありがとな……俺もう…眠いわ……」
玲はなぜか泣きそうな顔で、俺を見ていた。
「なんで……そんな……泣きそう……なんだよ…」
にへっと笑うと、玲は口を開いた。
「無茶してんじゃねぇよ!ばか!」
泣きそうな表情は変わらず、玲は苦しそうだった。
「もう救急車来るからな。もう少しだけ我慢しろよ!」
励ますように声をかけてくれた。
けど、もう無理だ…。
「…きた」
短くそう伝えると、玲は俺がここにいることを知らせた。
「玲……ありがとな……」
そう言ったのを最後に俺は闇に覆われた。