L'eau, je suis important...
「いや、でも俺らがあそこで堂島の拳銃をちゃんと奪っていれば、悠太は怪我せず済んだのに…!」
それでも自分を責める宏樹くんの肩に龍さんが優しく手をおいた。
「悠太が宏樹くんたちをかばったのなら、悠太の分まで元気にいてあげてよ。悠太が元気になったときに宏樹くんたちまで暗い顔してちゃ、悠太が悲しむからさ。」
「でも……」
龍さんの説得を受け入れず、食い下がる宏樹くん。
そんな宏樹くんに龍さんは苦笑いをこぼした。
「じゃあさ!
俺が悠太に怒られたくないから明るくいてよ!俺悠太に怒られたくないな〜」
わざとらしく悲しげな表情を浮かべて、宏樹くんをチラチラと見た。
「……わかりました…。」
そんな龍さんを見て、流石に宏樹くんが折れた。
龍さんって優しいんだな…。それに弁が立つ。
宏樹くんが責任を感じないように話して。それでいて、最終的には宏樹くんが頷くように話を持っていって…。
すごいな…。龍さん。
龍さんに尊敬の意を込めていると、手術室の扉が開いた。
その場にいた全員が立ち上がり、担架を囲んだ。
悠太……じゃない…。
これは、望…くん……?