L'eau, je suis important...


「止血してあったのが不幸中の幸いでした。
止血されてなかったら、病院に搬送される前に息を引き取っていた可能性が高かったです。」


死んで…。


「とにかく今は、髙野さんを信じて、無事に手術が終わるように祈っていてください。
本郷さんは一般病棟に移動しますので、面会もできますよ。」


柔らかな声の医者の言葉が右から左に流れた。


僕は愕然として、崩れるように、椅子に座った。



あのときの死と直面した感じは間違えじゃなかったんだ…。



「ありがとうございます!
そして…。涼太は…?」


「大﨑さんは、検査を行っていると思いますよ。9年前の主治医と同じ医者が担当しているので、心配ないと思います。
では、私はこれで。」


優しく微笑み去っていった。


「ありがとうございます!」


龍さんと麗華さんは頭をガバっと下げた。



9年前…。

堂島も言っていたよな…。


9年前にあったことが悠太と大﨑に関係するのか…。




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