L'eau, je suis important...
「宏樹と康介、それに玲くん。
悠太に手術はまだまだかかると思うし、もう夜も遅いからちょっと仮眠取りなよ。」
「え?…でも……」
悠太が死んでいたかもしれないと言われ、まだ手術も終わっていないこの状況で眠ることなんか…。
「そんなの無理ですよ…!こんな時に眠れなんて酷な話じゃないですか!?」
僕に同意するように宏樹くんが言った。
悠太が死に直面している事実を受けとめきれなかったのか、宏樹くんはいつもよりピリピリしてる。
「宏樹、落ち着け。」
「落ち着いてられっかよ!
悠太が辛い思いしてるときに眠れなんて!できる訳ねぇだろ!!!」
「だから落ち着けって!」
「あ?そんなん無理に決まってんだろ!
お前は出来んのかよ!?悠太が辛い思いしてる時に!」
宏樹くんと康介くんの会話はどんどん熱を増していく。
康介くんには悪いが、僕は宏樹くん派だな。僕だってこんな時に悠太をほっといて寝ていられるほど図太い神経の持ち主じゃない。
「俺だって出来れば寝るなんてしたくねぇよ!けどな!悠太の手術が終わって顔も見ずに自分が倒れるなんてしたくねぇ。俺は悠太が目覚ますまでずっと側にいてやりてぇ…!」
「……」
合点が行ったのか宏樹くんは口を閉ざた。心なしかピリピリした空気が消えたように感じる。