L'eau, je suis important...
悠太の決断
「悠太く〜ん!今日も来たよ」
1人で使うには広すぎる病室の扉をあけて、今日も悠太くんの眠るベッドの横に腰を掛けた。
初めて悠太くんの顔を見に行った日から、今日でちょうど2ヶ月がたった。
大﨑くんは検査入院だったらしく、2週間程度で退院した。
そして、蝶月さんの本郷くんは、つい先日「悠太と離れたくない〜」と言いながら退院していった。
玲くんに紹介され、本郷くんが蝶月さんの人だと知った。
はじめは言葉にすごく棘があって怖かったけど、悠太くんの彼女と言った私を認めてくれた。
本郷くんはきっと悠太くんが大好きで、あとからポッと出た私なんかを認めてくれるか不安だったけど、本郷くんは受け止めてくれた。
「ねぇ悠太くん。今日でね、ちょうど付き合って7ヶ月経つんだよ。はやいよね。」
どれだけ声をかけても答えてくれる人はいない。
そんな状況にはじめは心が折れそうになった。
でも、玲くんや大﨑くん、本郷くんが話をきいてくれて、支えてくれた。
ここの一般病棟に悠太くんがうつってきたのは、1ヶ月とちょっと前のこと。
脈や心拍数などが安定してきて、もう一般病棟に移れるって聞いたときは本当に嬉しかった。
それに最近は、手をぎゅっと握るとそれに答えるようにぴくっと手が反応するようになった。