L'eau, je suis important...


そこから、私が泣き止むまで優しく頭を撫で、涙を拭ってくれた。

「よし。泣きやんだな!」

そう言いながら、悠太くんはナースコールを押した。


そっか。起きたら普通ナースコール押さなきゃだよね。
でも、私が泣いてたから気を使ってくれて。

起きたばっかりなのに申し訳なくなった。

「悠太くんごめんね。」

「俺は謝られるより、感謝される方がいい。
それ以前になんで謝られてるかわかんねぇけどな。」

ヒニッといたずらっ子みたいに笑った。

「ありがと!悠太くん!」

悠太くんが痛くないように優しく抱きついた。

私からはこんなことしないけど、たまにはいいかなって思った。


少しすると、お医者さんと看護師さんがきた。

「髙野さん!目を覚ましたんですね。」

「はい。」

「これから軽い検査をします。
すみませんが、面会の方は病室の外でお待ちください。」

こちらを向き、優しく言われ、私は立ち上がった。

「じゃあ、悠太くんまた後でね」

悠太くんは軽く手をあげた。

それを見て、私は病室を出た。


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