L'eau, je suis important...
「相変わらず、ピアスだの何だの!
不良みたいっすねぇー」
ニヤニヤしながら馬鹿にしてくる玲。
ピアスつけているのは本当だから
言い返すこともできない。
右耳には、ルビーのような赤で、
左耳は、眼の色と同じような青。
それらの色の宝石を、守るように引き立てるように
金属が囲ってあるもの。
かなりシンプルで、俺のお気に入りでもある。
毎日、風呂と寝るとき以外は
肌身離さずつけている。
でも、こいつにだけは言われたくない。
こいつもピアスつけてるし。
「ちっ 別にいいだろ。
不良みたいにゴツいのじゃねぇーし。」
気に入っているピアスのことを言われて、
ちょっとイラッとした。
「はいはい。そんなに怒んなよ!」
手を上げながら
“やれやれ”みたいな顔をして首を振った。
ちっ。
クソが!
「そう言うお前も人のこと言えねぇーんだよ!
お前もピアスつけてんだろ。」