L'eau, je suis important...




「相変わらず、ピアスだの何だの!
不良みたいっすねぇー」



ニヤニヤしながら馬鹿にしてくる玲。


ピアスつけているのは本当だから
言い返すこともできない。


右耳には、ルビーのような赤で、
左耳は、眼の色と同じような青。




それらの色の宝石を、守るように引き立てるように
金属が囲ってあるもの。


かなりシンプルで、俺のお気に入りでもある。



毎日、風呂と寝るとき以外は
肌身離さずつけている。


でも、こいつにだけは言われたくない。
こいつもピアスつけてるし。



「ちっ 別にいいだろ。
不良みたいにゴツいのじゃねぇーし。」



気に入っているピアスのことを言われて、
ちょっとイラッとした。



「はいはい。そんなに怒んなよ!」



手を上げながら
“やれやれ”みたいな顔をして首を振った。



ちっ。
クソが!



「そう言うお前も人のこと言えねぇーんだよ!
お前もピアスつけてんだろ。」




< 6 / 359 >

この作品をシェア

pagetop