L'eau, je suis important...
俺らの間にはまた沈黙が続いていた。
そして、次に俺らが話をしたのは、山本の家についた時だった。
「私の家ここなんだ。」
ふーん。ここなんだな。
ふわふわした山本に似合う洋風の家だな。
しかも俺の家とまぁまぁ近い。
「おう。そうか!
じゃあ、また明日な!」
「うん!バイバイ!」
何気ない会話をかわして手を振った。
髙野くんの背中が見えなくなったのを確認して、家の中に入った。
はぁーーー
ふぁぁーーーー
あーーーーーー
気が抜けて、扉に背中を預けたままズルズルと足元が崩れていった。
ペタンと玄関に座り込んでしまった。
「おかえりー
遅かったわねぇー」
玄関まで迎えに来てくれたお母さん。
「あら!?どうしたの!?」
「ごめん、お母さん。
手、貸してくれない?」
お母さんに手を引っ張ってもらって、
立ち上がることができた。
「とりあえず、着替えて来なさい。
着替えたらご飯よ。」
「うん…。わかった…。」
お母さんの横をすり抜けるようにして階段の方へ向かった。