L'eau, je suis important...



「あははー!
バレたー!?」


おどけたように言うこいつに心底腹が立つ。


ふー
落ち着け俺。

こいつはもともとこういう奴。
落ち着け。



「おどけてんじゃねぇーよ。
お前は入学当初からそのピアスつけてんだろ!」




玲のピアスは、さすが王子様って感じのピアス。


王冠がモチーフで、黒と金色のカッコいいやつ。
ゴツすぎず、派手すぎないシンプルなもの。


それがまたこいつに似合っていて、
余計に腹立たしい。


こんな奴褒めたくもないが、
こういうアクセサリーとかのセンスはある。


それに、認めたくねぇーが、こいつとは
ファッションの趣味もあう。




「なぁなぁ!悠太!
あの日のこと覚えてるか!?」


イキイキとキラキラしたような目で俺を見る。

机から身を乗り出すほど。


「あぁ。
あのことは刺激が強すぎて、印象にかなり残っている。」


そんな玲にうなずいてみせた。



「まぁ、でもその話はまた後でな。」



「えー!!なん「前!前見ろ!」


さっと前を向き、担任の山田を見た瞬間ブスっとする玲。



思わず笑みがこぼれそうになった。


あの顔はやばいな。

気を緩めたら声を上げて笑ってしまうそうなほど。



「えー!嫌だー!「また後でな。」


未だブスっとしている玲に
有無を言わせず、言葉を遮った。


また、HRの後な。




< 7 / 359 >

この作品をシェア

pagetop