L'eau, je suis important...



**


―旗作り2日目。


今日は色塗りだな。


絵の具を準備する山本を手伝いながら、
旗を広げた。


ペタペタ…


絵の具と布が交わる音。


「なぁ、山本。
今日も一緒にかえ………」


俺に向かってスッと手を伸ばす山本を不思議に思い見ていると…


「え…その目……」


思わず漏れたかのような小さな声。



前髪から赤い禍々しい瞳が覗いていた…。



ドクンっ



「せんせい!ゆうたくんの目
おかしいよ!?」

「やめなさい!あきくん。」


やめろ!


「ねぇ、見てあの目〜」

「うわ〜
気持ち悪ぅー」

俺を指さし白い目で見る男女。


やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!



ドクンっ



「気持ち悪い目!
どうしてそんなオカシナ目なの!?」


その声と共に視界が影で覆われる。


ドクンっ


やめろ!やめてくれ!

お願いだから!
あなただけはそんなこと言わないで!



「やめて!お母さん!」




「た、かのくん?大丈夫?」



スッと頬に伸ばす手が目に入った。



「はぁはぁはぁはぁ」



肩で息をする俺。



「落ち着いて、髙野くん。
ね?ゆっくり息をしてね。
吸ってー吐いてー」



山本の声を頼りに、呼吸も落ち着いてきた。




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