L'eau, je suis important...
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―旗作り2日目。
今日は色塗りだな。
絵の具を準備する山本を手伝いながら、
旗を広げた。
ペタペタ…
絵の具と布が交わる音。
「なぁ、山本。
今日も一緒にかえ………」
俺に向かってスッと手を伸ばす山本を不思議に思い見ていると…
「え…その目……」
思わず漏れたかのような小さな声。
前髪から赤い禍々しい瞳が覗いていた…。
ドクンっ
「せんせい!ゆうたくんの目
おかしいよ!?」
「やめなさい!あきくん。」
やめろ!
「ねぇ、見てあの目〜」
「うわ〜
気持ち悪ぅー」
俺を指さし白い目で見る男女。
やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!
ドクンっ
「気持ち悪い目!
どうしてそんなオカシナ目なの!?」
その声と共に視界が影で覆われる。
ドクンっ
やめろ!やめてくれ!
お願いだから!
あなただけはそんなこと言わないで!
「やめて!お母さん!」
「た、かのくん?大丈夫?」
スッと頬に伸ばす手が目に入った。
「はぁはぁはぁはぁ」
肩で息をする俺。
「落ち着いて、髙野くん。
ね?ゆっくり息をしてね。
吸ってー吐いてー」
山本の声を頼りに、呼吸も落ち着いてきた。