L'eau, je suis important...
「え!?
た、かのくん?」
慌てながらも、おずおずと弱い力で抱きしめ返してくれた。
「………」
「………」
「………」
「………」
お互い無言だったが、その腕がたまらなく心地よかった。
その沈黙を破ったのは、またもや山本で
「ねぇ?髙野くん。
私ね、お父さんがいないの。」
山本の突然のカミングアウトにただ驚くしかなかった。
驚いて、肩を掴み、山本の顔を見るように距離をとった。
「は!?」
それでも山本は言葉を続けた。
「私の話、聞いてくれる?」
山本の表情で、深刻なことで軽い話じゃないことはわかってる。
さっきのカミングアウトの続きだろうし。
でも、だからこそ山本の話を聞きたいと思った。
さっき俺の話聞いてもらったしな!
次は俺の番だ。
「おう!もちろん!」