L'eau, je suis important...
「出席を取るぞ!
具合が悪い奴はいるかー?」
山田が面倒くさそうに言う。
「……」
それになんの返事も返さない俺ら。
「いないな!
じゃあ、連絡をするぞ!
今日の1限目は自習だ。あーだこーだあって自習だ!」
なんて雑な説明。
これは酷いな。
まぁ、今日に関しては都合がいい。
玲が駄々こねて授業中でも話しかけてくるだろうから。
注意なんてされたくないしな。
そしてほら、自習って聞いただけで、こっちをちらっと見て
ニヤッとしたアイツ。
そんな顔でも似合ってしまうから恐ろしい。
「―――連絡は以上だ!
今日も1日頑張ろうな!」
その声と共にタイミングよく発せられる号令。
「起立!気をつけ!礼!」
「「「「ありがとうございました!」」」」
「はぁー!やっと終わったなぁー。」
伸びをしながらつぶやく玲。
「よしっ!
じゃあ、久しぶりに“あの頃”の話しようぜ!」
満面の笑みで話すコイツは今よりも少し幼く見えた。