借金取りと私の関係【完】
真琴さんらしい、スッキリとした匂いだ。



「眠かったら寝ててもいいよ」



前を向いたまま真琴さんが言う。



その横顔を見ながら問うた。



「遠いんですか?」



「いや、すぐそこ」



悪戯に言う真琴さんを軽く叩き、もうっと笑う。



薄暗い空は雲が覆い、今にも雪が降りそうだ。



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10分ほど走らせて着いたのは、見覚えのある場所だった。
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