借金取りと私の関係【完】
胸の奥で何かが疼くのを感じていた。



「なんだろうな、俺も自分が分からない」



口元で笑って見せる黒崎さん。



私の浮かんだ涙を拭って。



「…俺、今日変だな」



なんて。



「…変なの」



呟いた私に、黒崎さんが軽く小突く。



「もう寝ろバカ」



さっきまでの恐怖が嘘のように、単純な心の穴が塞がっていった。
< 184 / 333 >

この作品をシェア

pagetop