借金取りと私の関係【完】
ただ完全に塞がり切らないのは、あの光景が忘れられないから。



「黒崎さん…」



「ん?」



彼女がいるのに、どうして私を構うのか。



それを聞けたら、きっとこんなモヤモヤも晴れるのに。



「なんでもない」



「なんだよそれ」



どうして聞けないのか、私も分からない。



自分で自分が分からない。



完全にスッキリしない心のまま。



夜はだんだんと、更けていくのだった。
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