借金取りと私の関係【完】
「なに…?」



なんだか怖くなって、そそくさと買い物を終わりにした。



帰り道もゾワッとするような違和感を感じて、何度も振り返るが人影はない。



誰かに見られているような、この感覚は何だろう。



アパートに着くまでには、人通りのない道がある。



そこに差し掛かると、私は一目散にアパートまで走った。



アパートの出入り口でバッと振り向くが、やはりそこに人影はない。



(気のせいなのかなあ…)



変なの、と首をかしげて部屋まで戻る。



中では黒崎さんが、少し声をひそめて電話をしているところだった。
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