借金取りと私の関係【完】
あのとき殴られた傷だろう。



「…?」



その傷にそっと触れると、黒崎さんが少しだけ目を見開いて私を見た。



「…嬉しかった」



私は負けたんだ。



「来てくれて、嬉しかった…」



涙が出るほど、この人に夢中になって。



「…泣くなよ、泣き虫」



「うるさい…!」



私はこの人に惚れている。
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