借金取りと私の関係【完】
不機嫌そのものの黒崎さんの表情。



なのに涙を流してるから面白い。



「怒るんですか?泣くんですか?どっちかに…ぶっふふふ…!」



口元を押さえながら肩を揺らしていると、黒崎さんがおもむろに近づいてきた。



何事かと見ていると、私の目の前で両手をセット。



「?」



首をかしげていると、手についた玉ねぎの汁を、あろうことか飛ばしてきた。



小学生が手を洗って、タオルで拭かずに払い飛ばす仕草のアレだ。



「ちょっ…」



「しばらく黙ってなさい」
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