借金取りと私の関係【完】
「借金の返済が終わったら…」



ピクッと黒崎さんの肩が揺れた気がした。



私は大きく深呼吸をして続ける。



「黒崎さんはもう…ここへは来ないんですか…?」



時が止まったかのような感覚。



時計の針の音が響き、黒崎さんが目を逸らす。



心臓がバクバクと、嫌な音をたてた。



「なに、来てほしいんだ?」



誤魔化すかのように、黒崎さんが私をからかう。



「真剣に聞いてるんです」
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