借金取りと私の関係【完】
首を振ったにも関わらず、黒崎さんが立ち上がり、私の方へ歩いてきた。



「え、ちょ、」



肩が触れるほど近くに座った黒崎さん。



ビクッと体が跳ねる。



「なんなの?」



そのまま私の顔を覗き込む黒崎さんの顔は、思った以上に近くて。



「ち、ちか…っ」



ついその肩を押してしまった。



「…あ、」



黒崎さんの表情が変わる。



呆れてるようで悲しんでるような、そんな表情。
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