借金取りと私の関係【完】
見ていられないほどに不細工な顔だ。



「く、黒ちゃん…?」



咄嗟に出てしまった呼び名に、自分でもアタフタする。



「アンタ立場分かってんの?」



「冗談です黒崎さん」



ハハ、と苦笑いする私を離し、黒崎さんが私を見下ろす。



「顔はいいんだから、襲われる準備だけはしておいて。俺いつネジ外れるか分からないよ」



「ひ…っ」



「それと、アンタをこっちの世界と関係を持たせるつもりはない。あくまで俺が一方的に来るから」



時給はそれから発生する、と黒崎さんは付け足した。
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