借金取りと私の関係【完】
黒崎さんは私の耳へ顔を寄せると、その低く甘い声を響かせる。



「今日はこれ」



「!?…やっ」



耳を甘噛みされ、足の力が抜ける。



その場に崩れ落ちると、頭上で黒崎さんの意地悪い笑い声が聞こえてきた。



「アンタさ、よくそれで体売る覚悟なんてできたね」



「…っ」



恥ずかしいやら悔しいやらで、涙が浮かんでしまうのを下を向いて耐えた。



「まさか泣いてんの?」



「泣いてない…!」
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