借金取りと私の関係【完】
「そんなに大変なの?」



「…ううん。すごく楽だよ」



特別嫌なこともされてない。



家でただ黒崎さんと過ごすだけでお金がもらえるんだ、なんの不自由もない。



こうやって雪ちゃんとも会えて、好きなときに寝れる仕事。



「精神的に、なのかなあ」



どうして嫌なんだろう。



自分が自分に甘えてるとしか、今は思えない。



きっといつか、この生活でよかったと言える日がくるだろう。



そんな日を夢見ながら、私は雪ちゃんにそっと笑いかけた。
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