借金取りと私の関係【完】
キッと黒崎さんを睨んだあと、ふてくされて布団の中へ潜り込んだ。



「ご主人がいるのに寝るんだ」



「…」



どうして私が料理なんて頑張って、こんな悔しい思いしなきゃなんないの、と唇を噛む。



下手くそまで言われて、黒崎さんのために作ってるようなものなのに。



グルグルと頭の中で、口にはできないような言葉が渦を巻いた。



「子供じゃないんだから、拗ねてんなよ」



「…うるさい…!」



つい声に出てしまった言葉に、ハッとする。



「今のは反抗したってことでいいんだよな?」
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