借金取りと私の関係【完】
そう黒崎さんの声が聞こえたかと思うと、グイッと腕を引っ張られた。



「きゃ…っ」



「今日はここもらうよ」



黒崎さんが私の手にケーキを乗せ、妖艶に笑って見せる。



「な、何して…」



怪訝な顔をしていると、黒崎さんは手に乗せたケーキをあろうことか食べ始めた。



「!?ちょ、」



黒崎さんの舌が指や手に這い、ゾクッと背筋が伸びる。



「や、やだ…っ」



自分ではないような声が漏れ、恥ずかしくなって口を結ぶ。
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