借金取りと私の関係【完】
どこを奪ってほしいかと聞かれたら、どこも奪って欲しくないのが本音。



「ん?」



眉を上げ、わざとらしく優しい顔を浮かべた黒崎さんが、私の頬を撫でる。



ゾクッと鳥肌がたった。



「や…っ」



「感じてんじゃん」



薄ら笑いを浮かべる黒崎さんは、面白そうに頬に触れていた手を首筋へ移動させる。



反応したくないのに、ピクッと体が跳ねてしまってどうにもできない。



「顎、上げて」



「な、なんで…」
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