借金取りと私の関係【完】
ドキッと胸が鳴ったのは、 図星をつかれたからだけではなさそう。



「ほ、ほっといて…」



恥ずかしいやら悔しいやら、いろんな感情が混ざり合って黒崎さんの目を見れない。



「も、もう済んだでしょ、どいて」



あまり悟られたくなくて、上から私に覆い被さるような格好をする黒崎さんの胸を、軽く押した。



だが、



「終わりなんて、俺まだ言ってねーけど」



そんな私の腕を掴み、頭の上で拘束した黒崎さんは、再び首元に顔をうずめた。



「ちょ、っと…っ」



吐息が首にあたって、高揚してしまう熱を抑えられない。
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