借金取りと私の関係【完】
気にしてなければ、私も気付かなかった。



これがもっと最低な人で、自分の欲に正直なような人なら、何があっても抵抗していたんだろう。



「黒崎さんは、確信犯です」



「…なんだよいきなり」



顔を上げた黒崎さんが、意味が分からないとでも言うように眉を寄せる。



「私が気づいてないと思ってます?」



「…さぁ」



少し察したのだろうか、私の上からどいた黒崎さんがソファに戻る。



「素直じゃないな〜」



「アンタにだけは言われたくない」
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