誰も知らない世界へ
私は自室に戻り私付きのメイドたちを下がらせた。

「あ"ぁーーー!!!ざっけんじゃねぇー!
なんで、そんな面倒くさいことになってんだよ。なんで好きでもない相手の愛人にあんな事しなきゃいけないんだよ!勝手にやってろよ!!もーーーー!!!死ね!!」

枕に向かって大声で怒鳴った。

そしたら、扉の向こうから笑い声が聞こえてきた。

フッフフフッフフッ

私に付き従って来た騎士のレボティーだ。

「………何よレボティー。入りなさいよ」

ふてくされた口調でそう言うと、レボティーは遠慮なくズカズカと入ってきた。

「ミーア様、本性と本音がダダ漏れですよ。俺は既にその悪態治ってるのかと思ってましたが、なるほど一生治らないようですね。」

レボティーが馬鹿にしたように私に言ってきた。

「……そりゃ、枕に怒鳴りたくもなるわ、ボケ」
 
「ミーア様も中々の悪運の持ち主で」

レボティーが笑いをこらえながら言うので段々と腹が立ってきて

「あら、そんな私の騎士にされた貴方の方こそえらい悪運の持ち主じゃないかしら」

そんなことを言ってみた。

「それは、違いありませんね。」

レボティーが優しく微笑むのでなんだか子供扱いされてるような気がして任務に戻るよう告げて口を閉ざした。


レボティーは、自分の仕事に戻り部屋はシンと、静まり返っている。

一体これからどうしたものかと、シアン様を落とす計画及び、トレシアの本性を暴く計画を練る。

大体、私はシアン様の事なんて正直どうでもいい。別に好きじゃないし。

けど、これでも一応は妻よ?愛人を排除するのも私の役目だわ。
 
そう、演じるのよ。理想の妻を。夫としてのあの人にとってではなく、王子としてのあの人にとっての理想の妻をね。





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