年下彼氏からのサプライズ
「あの、ちょっと待って。
つまり、私と結婚したいってこと?」

「そうとってもらっても、......というか、そうなります、ね。婚約指輪は好きなものを選びたいかと思ってまだ用意してないけど、ああでも、まだ早すぎるっていうなら、今すぐにってわけじゃなくても、じっくり考えてもらってもいいし、もちろん俺は今すぐにでもいいし、今回の仕事が上手くいったら、今よりも責任のあるポジションにつけそうで、そうなると」

「わ、分かった、分かったから! 
ちょっと落ちついて。大丈夫だから。
イエスだから」


自分でもよく分からないうちに、口から自然とその言葉が出ていた。色々考えるよりも、先に。

結婚は特に意識してなかったけど、結婚したいと言われたら、イエスだ、私。

早口でしゃべり続けていた彼は、それを聞いた瞬間、ぴたりと止まる。


「イエス?」

「う、うん」

「Would you marry me?」

「......Yes」


眉をよせたまま、疑り深く二回も聞いてきた彼は、何の反応もないと思ったら、無言でワイングラスにワインを注ぎはじめた。
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