誓いのキス
いい気味。
…なんて思えない。
私を指名したのは彼の勝手だけど、了承したのは私自身だから。
居た堪れず、チャペルを出た彼を追い、謝罪した。
「俺は君を買い被っていたのだろうか」
「え?」
「お客様に接している君はいつも笑顔だ。その笑顔に俺は光るものを見つけた。でもそれは間違いだったのか」
男前かつ優秀な彼は、入社当初、同じフロント課に属していて、私は彼から指導を受けた。
そんな彼に褒められて悪い気はしない。
むしろ褒めるような人じゃないって知っているだけに、照れくさいけど、嬉しい。
でも…
「私にこの大役は務められません」
自分なりに努力はした。
でも根本的に花嫁の笑顔というものはフロントでお客様に向ける笑顔とは訳が違うのだ。
カメラマンが指示していた通り、幸せに満ちた表情こそ花嫁の姿で、営業スマイルでは決してない。
「君はウエディングドレスを着る事に憧れはなかったのか」
憧れ…
「それは普通にあります」
こうしてモデルであったとしてもウエディングドレスを着ることが出来て、メイクアップした自分を鏡で見た時はテンションが上がった。
「それなら幸せそうに笑えるだろう」
…なんて思えない。
私を指名したのは彼の勝手だけど、了承したのは私自身だから。
居た堪れず、チャペルを出た彼を追い、謝罪した。
「俺は君を買い被っていたのだろうか」
「え?」
「お客様に接している君はいつも笑顔だ。その笑顔に俺は光るものを見つけた。でもそれは間違いだったのか」
男前かつ優秀な彼は、入社当初、同じフロント課に属していて、私は彼から指導を受けた。
そんな彼に褒められて悪い気はしない。
むしろ褒めるような人じゃないって知っているだけに、照れくさいけど、嬉しい。
でも…
「私にこの大役は務められません」
自分なりに努力はした。
でも根本的に花嫁の笑顔というものはフロントでお客様に向ける笑顔とは訳が違うのだ。
カメラマンが指示していた通り、幸せに満ちた表情こそ花嫁の姿で、営業スマイルでは決してない。
「君はウエディングドレスを着る事に憧れはなかったのか」
憧れ…
「それは普通にあります」
こうしてモデルであったとしてもウエディングドレスを着ることが出来て、メイクアップした自分を鏡で見た時はテンションが上がった。
「それなら幸せそうに笑えるだろう」