誓いのキス
カメラマンも『ウエディングドレスを着ると幸せな気分になって自然と笑顔になるでしょ』と言っていた。
でもそれは愛すべき人がいて、その人が祭壇の前にいて、その人との永遠の誓いと未来を夢見るから自然と幸せな表情になるのだと思う。
もっとも、これがシングルフォトウエディングというウエディングドレスを着たいという願いを叶える場であれば話は別だ。
上がったテンションのまま笑顔を向ければ良い。
でも幸せな花嫁を演じるには違う。
愛すべき人も、幸せな感情も足りない状況でカメラマンが納得するような宣材写真用の笑顔を作る事は出来ない。
「申し訳ありません」
謝罪してどうにかなる問題ではないけど、これ以上続けても同じ事の繰り返しで迷惑を掛けてしまうだけ。
それに私のせいで彼の評価が下がってしまうのは申し訳なかった。
だから余計な事と分かっていながらも言わずにいられなかった。
「別の方にお願い出来ませんか」
その言葉に彼の表情は曇った。
そして何も言わず背を向けた。
でもそれは愛すべき人がいて、その人が祭壇の前にいて、その人との永遠の誓いと未来を夢見るから自然と幸せな表情になるのだと思う。
もっとも、これがシングルフォトウエディングというウエディングドレスを着たいという願いを叶える場であれば話は別だ。
上がったテンションのまま笑顔を向ければ良い。
でも幸せな花嫁を演じるには違う。
愛すべき人も、幸せな感情も足りない状況でカメラマンが納得するような宣材写真用の笑顔を作る事は出来ない。
「申し訳ありません」
謝罪してどうにかなる問題ではないけど、これ以上続けても同じ事の繰り返しで迷惑を掛けてしまうだけ。
それに私のせいで彼の評価が下がってしまうのは申し訳なかった。
だから余計な事と分かっていながらも言わずにいられなかった。
「別の方にお願い出来ませんか」
その言葉に彼の表情は曇った。
そして何も言わず背を向けた。