11月の物語
『なぁ・・・』


お父様が俺に話しかける。


やめてくれ。お前の声なんて今は聞きたくない。


だんだんと頭が痛くなってくる。


なのに、お父様はオレの気持ちなど無視するように話しかけてくる。


『なぁ・・・、その黒いマフラーどうした』


この時の俺は父の言葉に嘘を付ける状態ではなかった。


『これか?クラリがクリスマスプレゼントにくれたんだ』


お父様の顔が急に青ざめる。


俺なんかやばいこと言ったか?


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