11月の物語

チャーリーさんはクラリさんの名前が書かれているロウソクを見せてくれた。


クラリさんの名前が書かれたロウソクロウソクのロウはまだ余っていてまるでクラリさんの時間が止まっているようだった。


あたしはここにいる誰にも気が付かれないように深呼吸をしてからチャーリーさんに話しかける。


『ロウソクはあれからつけたんですか?』


あたしの質問にチャーリーさんはコクリと頷く。


『ああ、つけてみたよ。でもオレの力じゃ目覚めなかったんだ。』


あたしは落ち込んだ様子のチャーリーさんの手を握りしめ言った。


『3月の国に行ってみましょう。


3月の国には神がいると大悪魔様が仰っていました。


神ならこのロウソクに灯を灯すことができるかもしれません。』


あたしの言葉に小さくチャーリーさんは俯き言う。
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