副社長とふたり暮らし=愛育される日々
私なんかと仲良くなりたいと思ってくれているというのは素直に嬉しいし、私ももっと話してみたい。モデル業界のことも、もっと教えてもらいたいな。
副社長には遅くなると連絡しておこう。彼だって、たまにはひとりで気楽に過ごしたいかもしれない。
それに……今日は一日中昨日のことを考えていたから、顔を合わせるのがなんだかちょっと気まずかったりもするし。
「……うん、行こっか」
行くと決めて明るく応えると、海都くんはエンジェルスマイルを振りまきながら「やった!」と喜んでいた。
本当に可愛いなこの子。と尊敬にも似た気持ちになっていると、彼は「一階のカフェで待ってますね」と言い、手を振って去っていく。つられて手を振り、彼を見届けながらはっとした。
OKしたはいいけど、普段の姿では会えないじゃない!
さすがにスタジオ入りする日はゆるキャラトレーナーは着ていないけど、それでも地味なことに変わりはないし、何より春原瑞香という素顔がバレてしまう。それを避けるためには……。
「えっ、りらの姿のままで帰る!?」
メイクルームに入り、待っていた七恵に私が伝えた言葉を、彼女はそのまま反すうして目を丸くしている。
「一体どうしたのよ?」
「実は、海都くんとご飯食べに行くことになってさ……」
副社長には遅くなると連絡しておこう。彼だって、たまにはひとりで気楽に過ごしたいかもしれない。
それに……今日は一日中昨日のことを考えていたから、顔を合わせるのがなんだかちょっと気まずかったりもするし。
「……うん、行こっか」
行くと決めて明るく応えると、海都くんはエンジェルスマイルを振りまきながら「やった!」と喜んでいた。
本当に可愛いなこの子。と尊敬にも似た気持ちになっていると、彼は「一階のカフェで待ってますね」と言い、手を振って去っていく。つられて手を振り、彼を見届けながらはっとした。
OKしたはいいけど、普段の姿では会えないじゃない!
さすがにスタジオ入りする日はゆるキャラトレーナーは着ていないけど、それでも地味なことに変わりはないし、何より春原瑞香という素顔がバレてしまう。それを避けるためには……。
「えっ、りらの姿のままで帰る!?」
メイクルームに入り、待っていた七恵に私が伝えた言葉を、彼女はそのまま反すうして目を丸くしている。
「一体どうしたのよ?」
「実は、海都くんとご飯食べに行くことになってさ……」