副社長とふたり暮らし=愛育される日々
柴田さんに思わずつっこんでしまった。どうやら可愛い系の男子らしいことはわかったけど。
「りらちゃん、同業者なのに知らないなんて……」
「あー……この子、顔と名前を覚えるのが異常に苦手らしくて」
怪訝そうにする柴田さんを、七恵が適当に言いくるめてくれる。柴田さんも私のことはよく知らないから、きっと普段もモデルの仕事をしていると思っているのだろう。
それより……その、なんとかカイトくんと一緒に撮影するとなると、きっと見つめ合ったりくっついたりするんだよね? これまでずっとひとりでやってきた私にとって、男子とそんな撮影をするっていうのはかなり難問……。
未知の体験に臨むことへの不安を感じて難しい顔をしていると、柴田さんが熱く語り始める。
「新商品“プランタンアムール”のテーマは、恋する春。恋をしてる女の子たちを応援する香水なんだ。それをアピールした広告を作りたくてさ」
私はメイク台に置かれたプランタンアムールのサンプルをちらりと見て、ふむふむと頷く。
今つけているけれど、微かに花の香りがする女の子らしい香水だ。男子もその香りを嗅いだら、ドキッとするんじゃないだろうか。
「りらちゃん、同業者なのに知らないなんて……」
「あー……この子、顔と名前を覚えるのが異常に苦手らしくて」
怪訝そうにする柴田さんを、七恵が適当に言いくるめてくれる。柴田さんも私のことはよく知らないから、きっと普段もモデルの仕事をしていると思っているのだろう。
それより……その、なんとかカイトくんと一緒に撮影するとなると、きっと見つめ合ったりくっついたりするんだよね? これまでずっとひとりでやってきた私にとって、男子とそんな撮影をするっていうのはかなり難問……。
未知の体験に臨むことへの不安を感じて難しい顔をしていると、柴田さんが熱く語り始める。
「新商品“プランタンアムール”のテーマは、恋する春。恋をしてる女の子たちを応援する香水なんだ。それをアピールした広告を作りたくてさ」
私はメイク台に置かれたプランタンアムールのサンプルをちらりと見て、ふむふむと頷く。
今つけているけれど、微かに花の香りがする女の子らしい香水だ。男子もその香りを嗅いだら、ドキッとするんじゃないだろうか。