副社長とふたり暮らし=愛育される日々
この歳になってまで、まともに人を好きになったことがないだなんて引かれるかな、と思って目を伏せたものの……。
「じゃあ、りらさんは超恋愛初心者なんだね」
意外そうにしながらも、海都くんは嫌味のない笑みを見せてそう言った。そして、今度は海都くんが、私の器に鍋の具を取り分けようとしながら話し出す。
「たしかにMimiの広告を見てると、にっこり笑ってるりらさんは少ないし、クールなイメージはあるけど、だからって魅力がないわけじゃないでしょ」
赤く染まった野菜をよそう手を止めた彼は、私を見据えて力強い声で言う。
「モデルやってる時のりらさんは、堂々としててカッコいいよ。俺との時はやたらキョドってるけど」
照れるのと、つけ足されたひと言で少し決まりが悪くなるのとで、私は肩をすくめた。
海都くんはクスクスと笑うと、よそった器を私に差し出しながら、こんなアドバイスをくれる。
「りらさんに必要なのは、もっと普段の自分に自信を持つことじゃないかな。本格的にモデルの仕事をすれば、それは自然と身につくと思うし、この人が好きだ!って確信できる時が必ず来るよ」
前向きな彼の言葉は、すんなりと私の心に染み込んでいく気がした。
「じゃあ、りらさんは超恋愛初心者なんだね」
意外そうにしながらも、海都くんは嫌味のない笑みを見せてそう言った。そして、今度は海都くんが、私の器に鍋の具を取り分けようとしながら話し出す。
「たしかにMimiの広告を見てると、にっこり笑ってるりらさんは少ないし、クールなイメージはあるけど、だからって魅力がないわけじゃないでしょ」
赤く染まった野菜をよそう手を止めた彼は、私を見据えて力強い声で言う。
「モデルやってる時のりらさんは、堂々としててカッコいいよ。俺との時はやたらキョドってるけど」
照れるのと、つけ足されたひと言で少し決まりが悪くなるのとで、私は肩をすくめた。
海都くんはクスクスと笑うと、よそった器を私に差し出しながら、こんなアドバイスをくれる。
「りらさんに必要なのは、もっと普段の自分に自信を持つことじゃないかな。本格的にモデルの仕事をすれば、それは自然と身につくと思うし、この人が好きだ!って確信できる時が必ず来るよ」
前向きな彼の言葉は、すんなりと私の心に染み込んでいく気がした。