副社長とふたり暮らし=愛育される日々
落ち着いた声に甘さが加わり、私の胸がじわじわと熱くなる。
私に愛を与えてくれると言って始まった同居生活。それは、捨て猫みたいな私への同情が大半を占めているものだと思っていた。けれど……。
「朔也さん、本気……なんですか?」
真面目な表情に変わったお兄ちゃんの問いかけに対する答えを、私も緊張しながら待つ。
副社長は何も迷うことなく、きっぱりとこう答えた。
「当然だ。軽々しく他人を一緒に住まわせたりなんかしないし、惚れた女じゃなきゃ手放したくもならない。お前も男ならわかるだろ」
最後にふっとわずかな笑みを浮かべた彼の言葉に、お兄ちゃんはやや納得したように唸り、一方の私は激しくドキドキし始める。
今、“惚れた女”って……! まさか本当に、副社長が私を!?
信じられない思いで、全身を熱くして呆然と立ち尽くす私に、副社長が流し目を向ける。
「まぁ、あとは瑞香次第だが」
目が合い、ドキン!とさらに大きく心臓が跳ねた。
なに、この間接告白みたいな状況は! お兄ちゃんもじっと私を見つめてくるし、恥ずかしくて仕方ない。
「瑞香は、朔也さんのことが好きなのか?」
彼はもう怒っているでもなく、落ち着いた声色で問いかける。私もなんとか心臓を宥めて、少しでも冷静さを取り戻し、口を開いた。
私に愛を与えてくれると言って始まった同居生活。それは、捨て猫みたいな私への同情が大半を占めているものだと思っていた。けれど……。
「朔也さん、本気……なんですか?」
真面目な表情に変わったお兄ちゃんの問いかけに対する答えを、私も緊張しながら待つ。
副社長は何も迷うことなく、きっぱりとこう答えた。
「当然だ。軽々しく他人を一緒に住まわせたりなんかしないし、惚れた女じゃなきゃ手放したくもならない。お前も男ならわかるだろ」
最後にふっとわずかな笑みを浮かべた彼の言葉に、お兄ちゃんはやや納得したように唸り、一方の私は激しくドキドキし始める。
今、“惚れた女”って……! まさか本当に、副社長が私を!?
信じられない思いで、全身を熱くして呆然と立ち尽くす私に、副社長が流し目を向ける。
「まぁ、あとは瑞香次第だが」
目が合い、ドキン!とさらに大きく心臓が跳ねた。
なに、この間接告白みたいな状況は! お兄ちゃんもじっと私を見つめてくるし、恥ずかしくて仕方ない。
「瑞香は、朔也さんのことが好きなのか?」
彼はもう怒っているでもなく、落ち着いた声色で問いかける。私もなんとか心臓を宥めて、少しでも冷静さを取り戻し、口を開いた。