副社長とふたり暮らし=愛育される日々
「……まだ、わからない」
出たものは、さっき海都くんに言ったものと同じ、正直な気持ち。たった今、副社長の気持ちを知って、すぐにそれに対する答えを出せるわけがない。
彼のことを好きか嫌いかと聞かれれば、間違いなく好きだと言える。副社長はカッコ良くて、とても優しいし、私を特別扱いしてくれるから。
でも、それに惑わされているだけかもしれない。私が彼に抱く気持ちが本当の愛かどうかは、まだ曖昧なのだ。だから。
「わからないから、ここで終わらせるのは嫌なの。自分の気持ちがはっきりするまで……副社長と、一緒にいたい」
こんな答えじゃ呆れられるかな、と思いながらも、そう言いきった。
しかし、副社長はどことなくホッとしたような表情を見せ、お兄ちゃんは片手で目を覆い、なぜか悶え始める。
「あぁ瑞香……一緒にいたいって思うってことは、それはもはや……」
「え?」
ひとりあれこれと呟く言葉はよく聞き取れず、首をかしげていると、彼はひとしきり唸ったあと、諦めたように息を吐き出す。
「……そうか、わかったよ。朔也さんも真剣みたいだし、お前の恋を邪魔するつもりはないからな」
そう言って、“仕方ないな”と言いたげな笑みを浮かべたお兄ちゃんは、ぽん、と私の頭に手を置いた。
そして、今度は副社長に向かって忠告する。
出たものは、さっき海都くんに言ったものと同じ、正直な気持ち。たった今、副社長の気持ちを知って、すぐにそれに対する答えを出せるわけがない。
彼のことを好きか嫌いかと聞かれれば、間違いなく好きだと言える。副社長はカッコ良くて、とても優しいし、私を特別扱いしてくれるから。
でも、それに惑わされているだけかもしれない。私が彼に抱く気持ちが本当の愛かどうかは、まだ曖昧なのだ。だから。
「わからないから、ここで終わらせるのは嫌なの。自分の気持ちがはっきりするまで……副社長と、一緒にいたい」
こんな答えじゃ呆れられるかな、と思いながらも、そう言いきった。
しかし、副社長はどことなくホッとしたような表情を見せ、お兄ちゃんは片手で目を覆い、なぜか悶え始める。
「あぁ瑞香……一緒にいたいって思うってことは、それはもはや……」
「え?」
ひとりあれこれと呟く言葉はよく聞き取れず、首をかしげていると、彼はひとしきり唸ったあと、諦めたように息を吐き出す。
「……そうか、わかったよ。朔也さんも真剣みたいだし、お前の恋を邪魔するつもりはないからな」
そう言って、“仕方ないな”と言いたげな笑みを浮かべたお兄ちゃんは、ぽん、と私の頭に手を置いた。
そして、今度は副社長に向かって忠告する。