副社長とふたり暮らし=愛育される日々
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海都くんとの撮影は不安が的中してしまったわけだけれど、まさか副社長に男性経験がないと見抜かれてしまうことになるとは……。
普通ならセクハラになりかねない発言でも、この御影副社長にかかれば、神々しいオーラのせいか嫌らしさをまったく感じさせず、むしろ萎縮してしまう。
目の前にあるおキレイな顔を呆然と見つめていた私は、はっとして後ずさった。
「そっ、その通りです! キスも手を繋いだことも、お付き合いしたことすらありません、すみません!」
勢い良く頭を下げると、ぷっと吹き出すのが聞こえてきた。恐る恐る顔を上げれば、彼はシャープな顎に片手をあて、おかしそうにクスクスと笑っている。
……あれ、怒っているんじゃなかったの?
無防備に笑う姿をぽかんと眺めていると、「そこまで暴露するなよ」と言われ、かぁっと顔が熱くなる。
そうだよね……彼氏いない歴イコール処女歴二十四年だと、告白したも同然だもんね……。
恥ずかしさと残念さから、かくりと頭を垂れる。すると、副社長は私のおでこに人差し指をちょんとくっつけ、そのまま私の頭を元に戻すように、ぐいーっと押し上げた。
「それに、謝らなくていい。何も悪いわけじゃないんだから」
微笑みを携えてそう言った副社長は、パチパチと瞬きする私の横を通り過ぎていく。