副社長とふたり暮らし=愛育される日々
衝撃的で口もぱかっと開けている私に、朔也さんはわずかな笑みを浮かべ、真剣な口調で話す。
「りらの人気は、お前が思ってる以上に高いんだ。素性が何もわからないおかげで、少しでも手がかりを欲しがってる人が大勢いる。そんなお前がプロデュースした香水が出るとなれば、きっといい反響が起こるはずだ」
うそ……りらのことを気にかけてくれる人がそんなにいるの?
ネットで話題になっていると七恵から聞いていたものの、まったく実感はなかったから、本当なんだ……という感じだ。
私にそんな機会を与えてようとしてくれていることもありがたくて、感動みたいなものがじわじわと押し寄せる。
しかし、朔也さんは懸念していることがあるようで、少しだけ難しそうな顔をする。
「ただ、企画から関わってもらうから、本社に出向いてチームの皆との会議に出ることになる。瑞香がそれでOKならの話だが……」
「やります! やらせてください!」
間髪入れずに、そう返事をした。朔也さんは不意を突かれたように目を瞬かせている。
「意外と決断が早いな。撮影以外では人前に現れないくらいだから、きっと悩むだろうと思ったのに」
朔也さんの言う通り、前までの私なら、尻込みしてOKするのをためらっていたはず。
「りらの人気は、お前が思ってる以上に高いんだ。素性が何もわからないおかげで、少しでも手がかりを欲しがってる人が大勢いる。そんなお前がプロデュースした香水が出るとなれば、きっといい反響が起こるはずだ」
うそ……りらのことを気にかけてくれる人がそんなにいるの?
ネットで話題になっていると七恵から聞いていたものの、まったく実感はなかったから、本当なんだ……という感じだ。
私にそんな機会を与えてようとしてくれていることもありがたくて、感動みたいなものがじわじわと押し寄せる。
しかし、朔也さんは懸念していることがあるようで、少しだけ難しそうな顔をする。
「ただ、企画から関わってもらうから、本社に出向いてチームの皆との会議に出ることになる。瑞香がそれでOKならの話だが……」
「やります! やらせてください!」
間髪入れずに、そう返事をした。朔也さんは不意を突かれたように目を瞬かせている。
「意外と決断が早いな。撮影以外では人前に現れないくらいだから、きっと悩むだろうと思ったのに」
朔也さんの言う通り、前までの私なら、尻込みしてOKするのをためらっていたはず。