副社長とふたり暮らし=愛育される日々
「えっ!? でも、これから会議が……」
「ご心配なく。少し遅れるかもしれないと、チームリーダーには私から伝えておきました」
明智さんは、私の返事を聞くのもそこそこに、腕を引いて歩き出しながら言う。そのままエレベーターに乗せられてしまった。
わけがわからないまま明智さんが押した階数を見やると、最上階の七階に明かりがついている。ここにあるのは役員室や社長室だ。
もしかして、副社長室に行くの? いったいなんで?
静かに上昇していく箱の中、私は頭の中をハテナマークでいっぱいにして問いかける。
「ど、どうしたんですか?」
「副社長のご意向です。あなたを連れて来いと」
朔也さんが?とキョトンとすると、明智さんは眼鏡を押し上げつつ、「それと」と話を続ける。
「少し厄介な噂を耳にしたので、あなたにもお話しておいたほうがいいと思いまして」
「厄介な話?」
何やら不穏な響きの言葉に、私は眉をひそめた。
あまりいい話ではないようで、さっきの三嶋さんの態度で下がったテンションが、さらに下降し始める。
エレベーターはすぐに七階に着き、照明を反射するピカピカのフロアに、私は初めて降り立った。今までここに来る用なんてなかったから。
「ご心配なく。少し遅れるかもしれないと、チームリーダーには私から伝えておきました」
明智さんは、私の返事を聞くのもそこそこに、腕を引いて歩き出しながら言う。そのままエレベーターに乗せられてしまった。
わけがわからないまま明智さんが押した階数を見やると、最上階の七階に明かりがついている。ここにあるのは役員室や社長室だ。
もしかして、副社長室に行くの? いったいなんで?
静かに上昇していく箱の中、私は頭の中をハテナマークでいっぱいにして問いかける。
「ど、どうしたんですか?」
「副社長のご意向です。あなたを連れて来いと」
朔也さんが?とキョトンとすると、明智さんは眼鏡を押し上げつつ、「それと」と話を続ける。
「少し厄介な噂を耳にしたので、あなたにもお話しておいたほうがいいと思いまして」
「厄介な話?」
何やら不穏な響きの言葉に、私は眉をひそめた。
あまりいい話ではないようで、さっきの三嶋さんの態度で下がったテンションが、さらに下降し始める。
エレベーターはすぐに七階に着き、照明を反射するピカピカのフロアに、私は初めて降り立った。今までここに来る用なんてなかったから。