副社長とふたり暮らし=愛育される日々
包装を取ってフタを開けると、現れたものはキラキラと輝くノンホールピアスだった。淡い赤や黄色の丸い石がついていて、立体的なメタリックフラワーが揺れる、とっても綺麗で可愛いデザインのものだ。


「うわ、素敵ー……!」

「りらさんに似合いそうだなと思って」


私はピアスに釘づけになっていた視線を、エンジェルスマイルを浮かべる彼へと移し、慌てて首を横に振る。

こんな素敵なものを、どうして突然私に!?


「いやいや、なんで!? 今日は別になんの日でもないし……!」

「バレンタインでしょ」


間髪入れずに、当然だと言うように返されて固まる私。


「日本では好きな男子にチョコをあげるけど、アメリカでは性別関係なく、大切な人に愛と感謝を表現するためにプレゼントを贈る日なんだよ」


日本とアメリカの文化の違いを語る海都くんは、甘く微笑み、真面目な調子で言う。


「俺は、りらさんにあげたいと思った。あなただけ、特別だから」


心臓が、強く突き動かされた。そして、一気に身体が火照りだす。

今の言葉は、告白と同じようなもの、だよね? 海都くん、本当に私のこと……。

好意を持ってくれていることは嬉しいけど、困ってしまう。どうやってお断りしたらいいんだろう。

軽くテンパる私は、とりあえずお礼を言うことに。

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