副社長とふたり暮らし=愛育される日々
三嶋さんが、朔也さんの妹……?
顔はあまり似ていないけれど、彼女の歳は三十歳くらいだろうし、年齢的には合っている。でも、それだけでは断定することはできない。
妹だと仮定すれば、仲良くしていてもおかしくはないし、三嶋さんが朔也さんのことを好きだと言っていたのも、兄妹としてなのだと納得できるけれど……。
あと一歩のところで、彼に向かう勇気が出せずに踏み止まってしまっていると、突然こんなひと言が耳に飛び込んでくる。
「“人を信じられなかったら、自分を信じろ”」
格言みたいな言葉に、俯き気味になっていた顔を上げると、お兄ちゃんは優しく微笑んでいた。
「昔、人間関係で悩んでた友達に、朔也さんがかけてた言葉なんだ。『自分を信じることができないやつは、他人を信じることなんて到底できない』って」
今の言葉が、頭の中で朔也さんの声に変換される。確かに、説得力のある彼が言いそうなことだ。
私はお兄ちゃんを見つめ、しっかりと耳を傾ける。
「俺の場合、信じた結果裏切られたわけだけど。でも、傷つくのを恐れてたら、本当に大事な人を逃しちまう場合もあるだろ。どう転ぶかはわからないけど、自分の気持ちを信じたほうが、ラクだし自信が持てると思わないか?」
顔はあまり似ていないけれど、彼女の歳は三十歳くらいだろうし、年齢的には合っている。でも、それだけでは断定することはできない。
妹だと仮定すれば、仲良くしていてもおかしくはないし、三嶋さんが朔也さんのことを好きだと言っていたのも、兄妹としてなのだと納得できるけれど……。
あと一歩のところで、彼に向かう勇気が出せずに踏み止まってしまっていると、突然こんなひと言が耳に飛び込んでくる。
「“人を信じられなかったら、自分を信じろ”」
格言みたいな言葉に、俯き気味になっていた顔を上げると、お兄ちゃんは優しく微笑んでいた。
「昔、人間関係で悩んでた友達に、朔也さんがかけてた言葉なんだ。『自分を信じることができないやつは、他人を信じることなんて到底できない』って」
今の言葉が、頭の中で朔也さんの声に変換される。確かに、説得力のある彼が言いそうなことだ。
私はお兄ちゃんを見つめ、しっかりと耳を傾ける。
「俺の場合、信じた結果裏切られたわけだけど。でも、傷つくのを恐れてたら、本当に大事な人を逃しちまう場合もあるだろ。どう転ぶかはわからないけど、自分の気持ちを信じたほうが、ラクだし自信が持てると思わないか?」