副社長とふたり暮らし=愛育される日々

重なる幸せな結びつき=運命



“若者向けのカジュアルフレグランスやコスメを生み出すことになった、きっかけを教えてください”

──十年ほど前、私の祖父が病気で入院していた時、偶然知り合った女子高生が花を見舞ってくれたことがありました。

その子は花がとても好きで、『花の香りの香水が欲しいけど、あまりお金がないから買えない』と言っていたらしいんです。

私はその子には会えずじまいでしたが、祖父からその話を聞いて、いつか若い子たちも気軽に買えるコスメを作りたい、と考えるようになりました。


“そんな出会いがあったんですね。Mimiにはたくさんの種類の花の香りがありますが、やはりその時の影響なのでしょうか?”

──そうですね。あの当時、私は病院の匂いが嫌いでした。幼い頃、好きだった祖母が亡くなった時のことを思い出してしまうので。祖父がいた病室も独特の匂いがあって、正直あまり見舞いに行きたくはありませんでした。

しかし、ある日病室に入ると、いつもと違う甘い香りがしたんです。それが、女子高生が持ってきてくれた花だとわかって、とても驚きました。

花には、人の気分や思考を変えるすごいパワーがあるんですよ。彼女が運んでくれた香りは、私が苦手だった“死の匂い”を一新させてくれました。


“その花はなんという名前なんでしょう? 香水は発売されていますか?”

──残念ながらまだ製品化していませんが、いつか必ず実現させますので、お楽しみに。春の始まりに咲く、沈丁花という花の香水です。

漢名は、瑞香(ずいこう)。私の大好きな花です。


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